ちゃんと書く7(Sexualityの探究家が浮気性なのに疑問はない。)
今回は東京都美術館であった
エゴン•シーレ展の
思い出を書きます
こちらは今回の展覧会のフライヤーにも
なっているシーレの有名な自画像。
《ほおずきの実のある自画像》
エゴン•シーレ(1912)
ただ実はこの肖像画には
対になる絵があります。
それがこちら。
《ヴァリーの肖像》
ヴァルブルガ•ノイツィル、
通称ヴァリー。
シーレの運命の女と言われた女性です。
ハニーブロンドの髪と青い目を持ち
美人で聡明で多彩であり、
シーレの恋人兼付き人として
無名時代から7年間
献身的に彼を支えた強い女性です。
ただこのヴァリーの肖像は
今回の展覧会には
来ていなかったんですよね。
二つでセットなのにね。
なんだか離れ離れなのは寂しい…
↓こちらは来ていました。
《赤いブラウスのヴァリー》
エゴン•シーレ(1913)
彼女は非常に多くの
シーレの絵のモデルをしており
彼のセクシュアリティの探究のために、
さまざまなポーズをとりました。
そんなシーレはというと
どこからか女性を連れて来ては
ポーズをとらせて裸の絵を描いてみたり
色んな女性と関係を持っていたみたいです。
更には近所の女の子を家に連れ込んで
逮捕されちゃったこともあるんですけど…
そのときもヴァリーは
拘束先に画材を差し入れたり
保釈金を払ったという文献もありました。
(真偽不明)
シーレは浮気性でもあったけど
同棲中のヴァリーはそれを知りながら
彼の才能を信じ、その芸術性を
周りに説いていたそうです。
しかし…
まさかのシーレは近所に住む
上流階級の美人姉妹と恋に落ち
その妹と結婚します。
結婚するときにシーレが
ヴァリーに対して…
僕は君とは別の女性と結婚するけど
二人で年に一回はバカンスに行こう。
と提案しています。
おいおーい
天才…恐るべし。
まぁ彼はナルシストなので
まぁ分からなくもないですね。
社会的地位のために
上流階級の娘さんを選ぶんですね~。
それが選ばれたのがこの女性、
エディット。
《左足を上げて座っている女》
エゴン•シーレ (1917)
ただですね…結婚相手は
その上流階級の美人姉妹のどちらでも
良かったそうです…
なんなら結婚後に姉の方とも
関係を持っていたみたい…
うん!
天才はなんでもやっていいんだな。笑
ただヴァリーはシーレの提案は飲まずに
彼の元から去っていきます。
その後従軍看護師になり
戦争中派遣先で
22年の生涯を終えました。
22歳…若い…
シーレがヴァリーと別れ
エディットと結婚するときに
書いた絵がこちら。
《死と乙女》
エゴン•シーレ 1914-1915
「死と乙女」は中世ヨーロッパで
流布した寓話「死の舞踏」から
派生した主題です。
この作品での「死」はシーレ。
「乙女」はヴァリーを描いています。
二人の複雑な関係性。
死は少女を突き放そうとしているのか、
それとも引き剥がそうとしてるのか。
乙女の細い腕は死にしがみついてますね。
乙女を蝕む死が彼女に向ける視線は
いったいどういう感情の表れなのか。
complication…
自分のために悲しい運命を辿った
女性と自分を描いた大作。
この絵に共感してしまう私って…
そして展覧会の終わりにグッズ売り場で
シーレの自画像の隣に
並べられていたのがこの絵。
《ストライプのドレスで座っている
エディット・シーレ》
エゴン•シーレ 1915
そうエディット。
シーレの結婚相手です。
結婚後エディットも数々の絵の
シーレの絵のモデルをしています。
シーレの女性画を沢山観てると
明らかに結婚後から
画風が変わるんですよね。
それまでの胸を抉るような
激しいエロティシズムとはまた違う
相手を愛し慈しむような…
大切に扱うような…
もっとシーレが歳を重ねていたら
きっとまた違う絵が観れたのかな。
どちらにせよ…
若くして亡くなった三者。
スキャンダルな人生を送った天才の
モデルになった女性達は
幸せだったのか?
けどまぁ、
天才には愛されてみたいですね。
では最後にヴァリーを描いた絵を。
《悲しみの女》
大きな瞳がまっすぐ悲しみを
訴えています。
そして背後には男性の顔が。
彼女の悲しみの原因ですね。
つまりシーレ。
この絵では女性の髪は黒で
男性の髪はハニーブロンドです。
実は実際の二人の髪色が
入れ替わっているんですね。
互いの要素を交換して描くことで
お互いの繋がりを表現しようと
試みた作品。
うん。
二人の関係は
二人にしか分かりませんね。
それでは。
Twitterは頻繁に更新中
Instagramは鍵アカだけど全員許可してます
フォローよろしくお願いします
いいね頂けたら嬉しいです
ログインして日記にコメントを書きましょう!
ログインはこちら