ななこの日記（ブログ）Lounge MOHEJI ～もへじ～(モヘジ) さいたま市浦和区仲町 ラウンジ

「男は
緩やかに流れる
大河の中に
浮かぶ舟に、
身をまかせ
まどろんでいた。

川は
男を乗せた舟を
ゆっくりと
ゆっくりと
水の流れと
ともに運んでいった。

どれ位の時間が
経っただろうか。

男が
眠りから醒めると
川の流れは
前よりも
心持ち速くなったようだ。

男は
『気のせいかな？』と思い、
再び 横になった。

さらに
時間が経過して、
男があたりを見渡すと、
確かに
流れが
速くなってきている事に気がついた

さらに先に進むと、
川は二股に別れていた。

男は一瞬、
オールを出し、
漕ぎ始めようかと思ったが、
『どちらに
行っても同じ事。』と思い、
再び
舟の中でまどろみ始めた。

次に男が
眠りから
呼び戻したのは
水しぶきの音だった。

緩やかだった
川の流れは
いつしか
急流になっていたのだ。

男は
少し不安になったが
『まっ、いいか』と、
とうとう
オールを
手にすることをせず、
自分の行き先を
川の流れにまかせた。

次に
男が気付いた時、
舟は垂直に
落ちる滝の直前だった。」


こんな人生はいやだ。
でも、出かける前は
よく
こうなる。